南フランスに早春の光があふれる中、
ニースのカーニバルが始まる。
街の中心にあるマセナ広場に入場してきたのは「冬の王様」
その昔、ヨーロッパの人々は 冬が暗くて寒いのは、
悪魔がやってくるせいだと考えていた。
だから みんなで「冬の王様」を追い払い、待ちに待った春を迎える。
誰もが思い思いの仮装をし、貧しい者も富める者も、
市民も異邦人も隔たりなく、非日常の世界を楽しむ。
花のあふれる街・ニースでは、コート・ダジュールを代表する美女たちが、
ミモザ、バラ、グラジオラスなどで飾られた山車に乗って、
海岸沿いのプロムナードを華やかにパレードする。
特にレモンイエローのミモザの花は、紺碧の地中海に映えて、
早春のニースに季節が巡る喜びをもたらす。
最終日の夜には花火が打ち上げられ、「冬の王様」は海辺で燃やされてしまう。
このカーニバルが終わると、コート・ダジュールに本格的な春がやって来る。